ハロー!うくれれです。
海外に住んでいると、日本帰国のたびに長距離で飛行機に乗らなければなりません。
私が住んでいるニュージーランドから日本までは、直行便で約11時間、乗り換えなら一日ちかくかかることもあります。
長時間フライトは元気いっぱいの子供ですら疲れてしまうのに、義足を使っている自分は飛行機内で無事に過ごすことができるのだろうか?
右足を切断後、初めての里帰りで飛行機に乗った時の経験をもとに、義足ユーザーが快適に空の旅を満喫するちょっとしたコツをお伝えしていこうと思います!
Contents
義足ユーザーが飛行機に乗る時思い浮かぶ機内での心配事とは?
私がニュージーランドに移住したのは2008年ですが、それ以来ほぼ毎年日本へ里帰りしていました。
ところが、2018年に右足を切断し、その年の里帰りは諦めることに。
体調が回復し、義足にも慣れた2020年には、世界的に流行したコロナウイルスのおかげで海外への渡航が困難になりました。
コロナウイルスに人々が慣れ、世界各国の入出国制限が緩やかになった2022年、5年ぶりに帰国できることになったのです。
めちゃくちゃ楽しみすぎて、チケットをとってから出発までの数か月はテンション上がりまくりだったんですけど、これまでに義足で飛行機に乗ったのはシドニー行の3時間フライトだけ。
日本行が初めての10時間以上のフライトなので、多少の不安も。
心に浮かび上がる不安と言えば。。。
- 座席はどのくらいの広さなんだろう
- 飛行機の中で座り続けるのが辛い
- 飛行機内での義足のつけ外しは?
- 義足を外したときに周りの人がビックリしないかな
- 足がむくんで義足が入らなくなったらどうしよう
- 義足で飛行機内のトイレが面倒だな
- とにかく疲れたくない
ただでさえキツイ長時間の機内、義足で狭い座席に座り続けるのは健足の時よりも大変なはず。
それに、飛行機は地上と全然違う環境だし、長時間だと足がむくんで義足がパンパンになったりしないのかな?
などなど。。。
足があった時も「いかに疲れずに実家にたどり着くか」というのが飛行機に乗る時の課題だったんですけど、義足になってさらにその気持ちが強くなりました。
数々の不安はあれど、日本に帰るためにはなんだってドンとこいだ!
何とかして義足でも機内を快適に過ごし、日本についたら速攻で遊びまわれるくらいの体力を温存しておくぞ!
そんなハイテンションで初めての義足での長時間フライトに臨んだのです。
義足でも飛行機内を快適に過ごす!つけ外しやストレッチなどで長時間フライトを乗り切るコツ!
久々に日本に帰ることができるという、この上ないハイテンションで臨んだ長時間フライト。
空港ではセキュリティチェックの金属探知機も難なくクリアし、いざ搭乗ゲートに向かいます。
セキュリティチェックの様子はこちら
座席は絶対に通路側!
搭乗ゲートでは、まずはビジネスクラスや家族連れの乗客が機内に案内されます。(私はいつもエコノミー)
その後、座席の番号順に飛行機に乗るのですが、義足を使っている人には断然通路側の席をおすすめします。
隣に知らない人が座っていた場合、トイレに立つ際はその人の前を通ることになるんですが、義足だと狭い座席の間をすり抜けるのがすごく大変ですよね。
また、外した義足を着ける時に立ち上がらなければいけませんが、その際も通路側の席ならスペースがたくさんとれて着けやすい。
私の場合は家族で飛行機に乗ることしかないので、いつも通路側の席に座っていますが、もしひとり旅することがあっても、絶対に通路側を指定するつもりです!
乗る前のトイレチェックで機内でのトイレ回数をなるべく減らす
さて、私は飛行機に乗る時はいつも最後の方にのって、なるべく機内にいる時間を短くしたいタイプ。
ビジネスクラスの乗客が呼ばれ始めた頃に、機内に入るまえの最終トイレチェックをします。
トイレチェックをすることで、機内でトイレを利用する回数を減らすことができます。
足があってもなくても、飛行機のトイレってあまり心地よいものではないですからね。
それに、飛行機内では義足を外すことを想定すると、トイレに行くたびにつけなおさなければいけません。
一度外した義足は必要以上につけなおしたくないので、そのための工夫ともいえますね。
さらに機内は常に多少の揺れがあり、健康な足が二本ある人でもまっすぐに歩くのが難しかったりします。
義足を使っているならなおさらトイレの利用回数は少なくしておきたいですよね。
機内持ち込み荷物は足元に収まるサイズにする
さてさて、トイレチェックを終えたら飛行機に乗り込むのですが、機内に持ち込む荷物はコンパクトにまとめ、座席の足元前にしまえるくらいの大きさのものにします。
機内座席上に収納棚がありますが、背の低い私は収納棚にモノを入れるのが大変!
それに義足となると、背伸びするにも片足の健足だけではきついし、出し入れの際に大きな荷物が滑り落ちてきたら支えるのにも一苦労です。
また、収納棚に荷物を入れてしまうと、必要なものが手元にない場合、収納棚を開けて取り出さなければいけなくなったり。
機内で義足を脱いでリラックスしていても、荷物を降ろすために義足を着けなくちゃいけない。
足元に収まるサイズのカバンにすべてを入れておけば、そういった心配や面倒もなくなります。
今回私が機内に持ち込んだのは、縦45cm×横30cmくらいの大きめのリュック(容量25Lくらい)でしたが、座席足元の前にすっぽり押しこむことができました。
もし収納棚を利用しなければいけない場合は、素直に乗務員の方に助けを求めて無理しないことにしています。
義足を外すのは安定飛行になってから
座席について荷物を足元に(または収納棚に)おさめたら、いよいよ離陸します。
飛行機の離着陸の際は安全のため靴を履いていなければなりませんよね。
靴も義足も脱いでリラックスしたい所ですが、離陸後にシートベルト着用のサインが消えるまではそのままで。
ベルト着用サインが消えて安定飛行になった時にはじめて義足を外します。
私が使用しているのは下腿義足なので、足元においても邪魔になりませんが、子どもたちから踏まれるのはイヤなので立てておくか、横にする場合は自分の足元の前の方に押し込むことが多いかな。
一人旅で知らない人が隣に乗っていたら、その人の方に倒れないように気を付けなくちゃね…
シートベルト着用サインが出たら義足もつけておく
義足を外してリラックスすれば、あとは目的地に到着するのを待つのみ。
映画をみたり、本を読んだり、ゲームや音楽を楽しみながら空の旅を満喫します。
私は基本的に座席にいる時は義足を外している時間の方が長いです。
しかし、乱気流などで飛行機が揺れるとシートベルト着用サインがでるので、その時は安全のために義足を着けることにしています。
飛行機の乱気流は長距離フライトでは高確率で起こるので、甘く見てしまいがちですが、本当にトラブルになったときは落ち着いて義足を着けることも難しいかなと。
しかも子供たちを守らなければいけないので、いつでも動けるように用心するに越したことはありません。
義足をはいた時は必ずストレッチなどで身体を動かす
一度義足を着けたら、せっかくなのでついでにトイレに立つことが多いです。
ベルト着用サインが消えたら、タイミングを見計らってトイレにゴー!
わざと遠い方のトイレを利用したり、立ったついでに通路を何往復かして(他の乗客や乗務員さんの迷惑にならないようにね)、体を目覚めさせます。
席に座る前は体中を伸ばして頭からつま先まで血液が循環するようにストレッチ!
腰を回したり、膝を曲げて足を高くあげたり、背伸びをしたりと、まんべんなく体を伸ばしてあげると、体も気持ちもスッキリしますよね。
身体を動かした後は、席について義足を外して気持ちよくリラックスできます。
むくみ対策は万全に
義足で飛行機に乗るときに気になるのが、足のむくみではないでしょうか。
私は経験が無いのですが、義足ユーザーさんの中には飛行機で足がむくんで義足がパンパンになってしまったという体験談も聞きます。
飛行機内で足がむくむ理由として、以下のようなものがあるそう。
- 気圧の変化
- 水分が足りていない
- 長時間座ることによる血行不良
- 機内の温度が低く体が冷えやすい
特に女性は健康な人でもフライト後に足がむくんで靴が入らないという人も多いらしい。
機内で足がむくまないようにするために有効な対策は、
①こまめな水分補給
私は大きめの水筒を持参して、中身がなくなったら継ぎ足してもらうようにしています。
機内で配られるカップは小さいので、なくなるたびに乗務員さんを呼ぶのも気が引けますから。
ジュースも少しいただきますが、主に水を飲んでいます。
②締め付けない楽な服を着る
ウエストが締まったスカートやパンツ、アンダーがきついブラなどは飛行機の時は避けています。
血行不良はむくみの原因ですし、動きにくい服では長時間フライトをリラックスして過ごせませんよね。
義足の脱着がしやすいという意味でも、緩めの服がおすすめです。
③寒くならないようにする
機内ではエアコンがきいているので、知らないうちに体が冷えてしまう事も。
寒くなることを想定して上着を用意しておいたり、備え付けのブランケットで身体を温かく保っておくことをおすすめします。
身体が冷たくなるとただでさえ血行が悪くなりますが、寒さで体も固まってしまい、さらに血行不良を助長してしまいますよね。
④座っている時でもなるべく体を動かす
トイレに立つときについでにストレッチをしたり、機内を歩き回る他にも、座席でもなるべく体を動かすことを心がけています。
足をぶらぶらと動かしたり、三角座りをしてみたり、足首を回したり。
上半身も、伸ばしたりねじったりして、じっと固まって座っている時間をなるべく短くすると、むくみ防止になると思います。
⑤マッサージでむくみ予防
私は右足の下腿義足なので、右足の残っている部分を優しくマッサージしています。
足の付け根から太ももをさすったりして、断端まで血液がちゃんと循環するように気を付けています。
⑥義足はできるだけ外しておく
機内では義足を着けない時間をなるべく長くするように心掛けています。
私はシリコンライナーを使っていますが、ライナーも外してはだかんぼの足でいるようにすると、圧迫が無くてむくみ防止にもつながると思っています。
⑦断端を温かく保つ
切断した方の足はどうしても冷たくなりがちですよね。
義足を外してリラックスしている時も、断端に靴下をかぶせてあげたりして温かく保つようにしています。
義足でも飛行機内で快適に過ごすまとめ
以上、私の経験から飛行機内で快適にすごすためのちょっとしたヒントをお伝えしてきました。
まとめると…
- 座席は絶対に通路側!
- 乗る前のトイレチェックで機内でのトイレ回数をなるべく減らす
- 機内持ち込み荷物は足元に収まるサイズにする
- 義足を外すのは安定飛行になってから
- シートベルト着用サインが出たら義足もつけておく
- 義足をはいた時は必ずストレッチなどで身体を動かす
- むくみ対策は万全に
義足のつけ外しのタイミング以外は、健足の人が飛行機に乗る時に気を付ける事とあまり変わりないですね。
(私は下腿義足なので、座席内でのつけ外しなどあまり困らないのですが、大腿義足や股義足を使っている方は少し違うかもしれません。)
義足で初めての飛行機だと不安になると思いますが、一度体験してしまえば「あ、こんなもんか」と、心配もふき飛んでしまいます!
機内と同じく心配になる金属探知機など保安検査をスムーズに通過する体験談もまとめているので、ぜひこちらも参考にしてくださいね!
義足でも心配無用!保安検査の様子はこちら