ハロー!うくれれです。
義足を使い始めたころ、慣れない義足で歩行するたびに「あぁ、義足ってなんて重たいんだろう」と思っていました。
義足についていろいろと説明を受けたのですが、重さについては何も聞かなかったので、実際に義足を着けてみてびっくりしたことを覚えています。
足を切断してみなければ、知らないことってすごく多いんだなと。
そこでこの記事では、義足の重さは何キロくらいあるのか、人間の本物の足とどちらが重いのかなどについて調べてみました。
Contents
義足っていったい何キロあるのだろう?重さに足を取られる義足初心者
右足を膝下から切断し、下腿義足を使うようになりました。
初めての義足ができたとき、これで以前のように歩けるかなと期待を胸に義肢装具製作所からの一歩を踏み出しました。
義足ができてうれしいけれど、じょうずに歩くためには焦らずにゆっくりと練習を続けていくことが大切です。
一日30分程度の装着から始め、徐々に義足を着ける時間を長くしていきました。
歩けることは嬉しかったのですが、地味に気持ち悪く感じる問題が。
義足って、重たいんです。
初めて義足を着けた初心者にとって、その重さは格別。
自分の足があったころは「足が物理的に重たい」と感じることって無かったので、正直不快でした。
最初にもらった仮義足は、「足」というよりは「棒状のもの」が膝下にぶら下がっているという感覚。
足を踏み出そうとするたびに、下に引っ張られるような感覚で、歩きにくいったらありゃしない。
そのうち慣れるかなと思っていたのですが、慣れるどころか月日が経つにつれその「ぶら下がり」感覚は増していき、うっとうしくてたまりませんでした。
再び歩けるようになって身軽になったと思ったのに、颯爽と歩くどころか、ドッスンドッスンと地面に足を置くようなぎこちない動きがとても嫌だったなぁ。
義足の初心者さんは、私のように義足を重たいと感じたことのある人、多いのではないでしょうか。
義足の重さは何キロ?生足とどちらが重いのか重量を比較してみた
こんなにも重く感じる義足、自分の生まれ持った生足よりも相当重いのだろう。
義足の重さが不快だった私は、そう思い込んでいました。
だって、下腿義足はソケットこそ強化プラスチックで軽いかもしれないけど、その下は鉄パイプだし、足部も重そうだし。
体感で予測した義足の重さは4~5キロといったところ。
絶対そのくらいあるはず!真相を確かめるべく、義足の重さを測ってみることにしました。
まず義足を着けた状態で体重計に乗り、そのあと義足をはずしてまた体重を測ってみることに。
義足を着けているとき、着けていないときの体重の差を計算すれば、義足の重量がわかります。
さあ、どうなんだい?もしかして5kg以上あるんじゃないの!?
結果は・・・
45(装着時)-43.5(装着なし)=1.5キロ
1.5キロ!?
1.5キロって、そんなはずはない!1.5キロがこんなに重たいわけないもの。
自分の測り方が悪かったのかと、旦那にも同じように義足を持っている状態と、持っていない状態で体重計に乗ってもらいましたが、結果は同じ。
1.5キロといえば、1.5リットル入りのペットボトルの水と同じ重さですよ?
試しに義足とボトルを両手に持ち、重さを比べてみたら、、、同じくらいだった。。。
信じられない。。。
1.5キロで重たく感じるということは、私が切断した膝下は1.5キロより軽かったということ?
人間の生足って、どのくらいの重さなのかも気になり始めました。
とは言え、自分の膝下だけの重さを測るのは不可能なので、人体の各部位における質量比というのを調べてみたところ、このような比率になっているらしい。
人体各部の質量比(計100%)
- 頭部 8%
- 胴体 46%
- 上腕 8%(片方4%)
- 前腕 6%(片方3%)
- 手 2%(片方1%)
- 大腿 14%(片方7%)
- 下腿 12%(片方6%)
- 足 4%(片方2%)
こんな風に人体の各部位の重さを調べる日が来るとは思ってもみませんでしたが。。。
頭だけで8%って、頭は重たいって言いますけど、本当なんですね。
さて、私は右足の膝下から切断しているので、切断した部位の重さは下腿一本分の6%と、足一つ分の2%、合計8%となります。
自分の体重の8%を計算すれば、失った膝下の重さがわかるということです。
義足を着けた状態の体重である45キロで計算してみると、45キロの8%は、、、3.6キロ!
下腿+足が3.6キロって、結構重たくないですか?
そして私が重たいと感じていた義足はわずか1.5キロで、生足に比べると2.1キロも軽量化されているということか。
え~、なんだか納得いかないなぁ。
どうしてこんなに重く感じるんでしょうね、義足って。
義足が重たく感じるのはなぜ?
義足が重たく感じる理由、それはズバリ、自分の足にくっついていないからでしょう!!
自分の体に継ぎ目なくくっついている状態だと、各部位ごとの「重さ」という観念はありません。
太って体が重いとは言うけれど、太って足が特に重たいとか、お腹だけ重たいとかはありませんよね。
体にくっついていないと、それはもう体ではなく別の物体になってしまうため、重さが出てきます。
私が一番最初に使っていた義足(仮義足)は、ライナーを付けた断端をソケットにつっこみ、スリーブで固定するタイプでした。
初めの頃こそ窮屈でしたが、断端が徐々に細くなっていき、ソケットのサイズが合わなくなっていきます。
断端袋を重ねて調節するのですが、ソケットを採型したときから短期間で大きく変わるので、フィット感も全然違います。
本義足に移行する直前には、サイズが徹底的に変わっていて、まさにスリーブで義足を「ぶら下げている」状態に。
月日が経つにつれ重さが増していくわけだ。
時は過ぎ、本義足になり、ピン式の義足に代わりました。
ピン式とは、ライナーの端っこにピンが付いていて、ソケットの中の穴にピンを差し込んで固定するタイプの義足です。
ピンを差し込むと「カチ、カチ、カチ、カチ」と音が鳴り、足と義足がしっかり繋がります。
ピン式を初めて着けたときの軽やかさと言ったら、スリーブで吊っていた義足とは雲泥の差です。
精神的にやられまくっていた過去数か月のうちで、数少ない嬉しい瞬間でした!
こんなに歩きやすくて軽い義足があるんだ!と。
この重量感の違いは、義足を着けたことある人じゃないとわからないだろうなぁ。
例えて言うとしたら、リュックサックを背負っているときかな。
肩ひもを長くしてルーズに背負うより、短く調節して背中にピタリと合うようにしたほうが重さを感じにくくなります。
義足でも、足と義足がしっかりフィットしていれば、感じる重さも大違いだということです。
私は仮義足のスリーブで固定するタイプとピン式しか使ったことがないのですが、そのほかに吸着式のソケットも存在します。
吸着式はソケット内を真空状態にさせて、断端とソケットを密着させるため、ピン式よりさらにフィット感がよいらしい。
(わかりやすいピンと吸着の違い)
ピンで軽く感じた私にとって、吸着式って興味あるし、魅力的ですね。
どのくらい軽く、どのくらい自分の足に近い感覚になるんだろう~~??
いつか機会があったら、吸着式のソケットも試してみたいなぁ。
そのときはまたこのブログでレビューしていきたいと思います!
義足の重さは何キロ?のまとめ
義足を使い始めの頃は重たいなと感じますが、実は自分が失った体の部位にくらべ格段に軽いということがわかりました。
なんだか納得いかない気もしますが、義足の重さもそのうち慣れ、自分の足のように気にならなくなる日が来ます。
しかし、切断した足が3.6キロもあったとは…ということは、もし足を切断していなければ、私の体重は今より3.6キロ重たいということか。
3.6キロ重たいのが本来の体重ということがわかり、なんだか複雑だな。
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