ニュージーランドにワーキングホリデーで来た時に初めて聞いた言葉「キウイハズバンド(Kiwi Husband)」
キウイという名前の鳥がニュージーランドの国鳥だということは知っていたけど、キウイハズバンドとは何ぞや?と思い、意味を聞いて「なるほど~~!」と大きくうなずいた経験があります。
これから結婚するであろう若い女性、もうすでに結婚しているという方にとっても、羨ましくなるような「キウイハズバンド」とは何なのか、ご紹介していきたいと思います。
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キウイハズバンドとは何?ニュージーランドの男性をさす言葉の意味や由来・特徴について紹介
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ニュージーランドについて少し詳しく知っている人なら、ニュージーランドの国鳥が「キウイバード(Kiwi Bird)」だということもご存知だと思います。
キウイバードとはニュージーランドの固有種の鳥で、コロンとまん丸なフォルムが可愛らしい人気者。
大きさは成鳥でニワトリほどのサイズで、小さな羽はありますが飛ぶことはできません。
大昔は沢山生息していたキウイバードですが、現在は住環境の変化や天敵(犬や猫などの外来動物)が理由で数が減少し、絶滅の危機にあるそう。
動物園などで目にすることはできても、一般人が野生のキウイに出会う確率はほぼないに等しいんじゃないかな。
そんなキウイバードはただの鳥としてではなく、ニュージーランドの象徴として国民に広く親しまれており、日常生活でもあらゆるところにキウイバードがあふれています。
古くは軍隊のバッジのシンボルとして使われていたり、現在は2ドル硬貨のデザインや、企業名、商品名などにも「キウイ」という言葉とキウイバードのかわいらしいキャラクターが採用されていたり。
ニュージーランド人は自分たちの事も「キウイ」という愛称で呼んでいるくらい、キウイをとっても身近なものと感じているようです。
「キウイ」という言葉自体に「ニュージーランドの○○」という意味も含まれており、様々なものをさす代名詞として使用されています。
いろんなキウイ
- キウイアナ(ニュージーランドの文化、ライフスタイルなど独自のモノ)
- キウイキッズ(ニュージーランドの子供)
- キウイイングリッシュ(ニュージーランド英語)
- キウイドル(ニュージーランドドル) など
そんな中でも今回取り上げた「キウイハズバンド」は、家事や育児など家庭での役割に積極的にかかわる旦那さんの代名詞として使われている言葉です。
単にニュージーランドの旦那さんだから「キウイハズバンド」というわけではないんですね。
ではなぜ家事や育児などに積極的な旦那さんを「キウイハズバンド」と呼ぶのか?それにはニュージーランドの国鳥「キウイバード」の生態が関係しています。
キウイバードの夫婦は、メスが産卵の時期を迎えると、オスがせっせと巣作りに励みます。
オスが作った巣の中にメスが産卵した後、オスが卵を温めて孵化させるそう。
このようなキウイバードの生態と、もともと家庭の事に積極的に参加する気質を持った人が多いニュージーランドの男性を引っ掛けて「キウイハズバンド」と呼ばれるようになったそうです。
ところで、キウイバードのオスがなぜ卵を温めたり、子育てに積極的なのかというと、キウイバードの産卵が他の鳥に比べてかなり過酷だから、らしい。
キウイバードのたまごのサイズはメスの身体の4分の1もあるんですって。
人間で考えると10キロ以上の赤ちゃんを身ごもって出産するということになるので、そりゃあ過酷ですよね。。。
キウイバードのオスはそんな過酷な出産を全力でサポートするために、巣作りや抱卵など自分にできることをやっているんだな。
ワイフが自分にできない事やってるから、できることは自分の役割として果たしますよ、というのがキウイハズバンドの考えなんじゃないかなと。
意識して手伝っているというよりは、家庭を営む上で家事をするのは当たり前でしょっていうのがとても好感が持てますよね。
キウイハズバンドの一日に密着!家事育児を楽しむニュージーランドの男性は理想の結婚相手?
ワーキングホリデーでニュージーランドに来た時、到着してすぐにオーペアの仕事を始めました。
私がオーペアとして働いていたファミリーには6歳と4歳のお姉ちゃん、2歳の双子の男の子がおり、ママとパパが二人で子育てをしていました。
オーペアとは
住み込みで働くベビーシッター兼家事手伝いの事
主にワーホリなどの若い女性がオーペアとして働くことが多い
そのおうちのパパが「これぞキウイハズバンド」って感じの旦那さんで、よく働くなぁと感心してみていました。
自分も一家の大黒柱として働いているのに、家庭内での腰の軽さに感心感心。
そんなパパの一日に密着してみると。。。
7:00 起床。ママがベッドにいる間にコーヒーを淹れ、ママと私のベッドルームまで運んでくれる。
7:30 身支度を済ませ、ママが朝食の用意をしている間、お姉ちゃんたちの着替えの手伝い。
7:40 自分も朝食を食べ、昨晩の残りものをお弁当箱に詰めて自分のランチを用意する。
8:00 お姉ちゃんたちを学校に見送り、自分も口笛を吹きながら会社に出かける。
17:30 口笛を吹きながら帰宅。ときには定時より早く帰ってくる。
17:40 ママが夕食を用意している間、子どもたちと遊んだり、お姉ちゃんたちのお風呂の手伝いをする。
18:30 ディナータイムでは、話を盛り上げようとがんばる。特に外国人の私に気を遣って話題をふってくる。
19:00 夕食のお片づけ、お皿洗い。
19:30 双子のおむつを替え、ベッドルームに連れていく。
20:00 パパは6歳のお姉ちゃん、ママは4歳のお姉ちゃんに絵本を読んで寝かしつけ。
20:30 就寝までテレビをみたりリラックスの時間。
私がオーペアをしていた家庭は小さな子供が4人もいて、なおさら家事育児に協力的だったのでしょうけど、それにしてもパパの働きっぷりに感心しますよね。
ニュージーランドの人と生活を共にしたことがあるのはこのファミリーだけなのですが、いろんな人の話を聞いていくと、他の家庭でも似たような感じで旦那さんが家事育児に積極的な人が多いように思います。
キウイハズバンドはニュージーランドのライフスタイルが生んだ賜物!
キウイハズバンドって、家事や育児に忙しくしているママ達にとってはすごく羨ましい生態(?)ではありますが、キウイハズバンドが生息するためには、その国の文化やライフスタイルが深く関係していると思います。
ニュージーランドでは、会社に勤めていても、かなり自由な働き方ができる国です。
残業もほとんどなく、有給をとることや、病気や家庭の事情でお休みすることもすごく簡単。
自分のやるべきことさえこなしていれば、休んだり早退したりすることに対し何のお咎めも嫌味を言う人もいません。
家庭を第一に考える文化から、結婚して子供が生まれれば、育児に参加したいからという理由で勤務時間の短い仕事に転職する男性も多い。
我が子たちが通う小学校では、お父さんが学校の送り迎えをする割合が全体の4割くらいある印象で、平日に行われる学校行事にもお父さんがふつうに参加します。
加えて、ニュージーランドは世界で初めて女性の選挙権が認められた国で、これまでに誕生した女性総理大臣は合計3人。
女性の社会進出もすすんでおり、男女間の所得差も少ないなどという背景もキウイハズバンドが生まれる要因となっているんだと思います。
もちろん、多くの家庭では女性が家事育児の舵を取っていて、分担する割合も女性の方が多いですが、個人の生活を第一優先とするお国柄と、男女平等の社会から、夫婦になれば二人で家事育児をこなすというのが常識とされているんですね。
ニュージーランドは多民族国家で国際色豊かな国ですが、国籍問わず優しい旦那さんがたくさん。
「キウイハズバンド」というのは必ずしもニュージーランド人の男性をさすものでなく、ニュージーランドに住むすべての優しい旦那さんの事を言うのではないかなと思います。
キウイハズバンドとは何?意味や由来・特徴のまとめ
キウイハズバンドを狙って結婚したわけではないですが、私も旦那さんが家事育児に協力してくれる時間を持っていることにとても感謝しています。
海外に住んでいると、日本のような便利な商品や施設は少なく、不便に感じることもありますが、家族を第一に考えて過ごせる環境という面では、ニュージーランドに住んでいてよかったなと心から思うのです。