ハロー!うくれれです。
前回の記事では母親に「健康な体に産んであげられなくてごめん」と言われた子供の気持ちを書きましたが、今回は逆に母親の気持ちに焦点を当ててみたいと思います。
私は子供が二人いるのですが、下の子(男)が4歳から6歳の約3年間アトピーで辛そうにしていた時の体験をふりかえって、その時の自分の気持ちを回顧しつつ、病気の子に謝る母の心理を綴ってみました。
息子のアトピーは自分のせいだと泣いた夜に遠い日の母を想う
4年前に私が入院していた時、それまで住んでいた家は売りに出し、旦那と子供たちは近所にある旦那の実家にお世話になることになりました。
私が病気になったせいで、私たち家族の環境はがらりと変わってしまったのですが、退院したころから息子がアトピー性皮膚炎に悩まされるようになりました。
最初は手の甲の湿疹から始まり、様子を見ていたものの治る気配がないのでお医者さんに連れていき、お薬をもらって塗っていました。
薬をぬってもそのあと数日は良いのですが、効果が切れればまた湿疹が出てきて、範囲もだんだんと広くなっていきました。
薬は徐々に強いものにかわり、専門医も紹介されてアレルギーテストもしましたが、結果はマイルドなものばかりで、明確に強く反応している項目は見つかりませんでした。
お医者さんでは解決できなかったので、次は自然療法の先生の所へ。
血液検査、髪の毛の検査をしてもらうと、数種類の食材、洗剤、ダストなどが低い数値で引っ掛かったので、それらを除去したうえ、かゆみの元となるヒスタミンを多く含む食材や、ヒスタミンの働きを強くする食材も食べさせないようにと指導されました。
そうなると食べれられるものがめちゃくちゃ限られてしまい、これまで大好きだったお菓子やアイスクリームなどはもちろんダメ!
野菜でもアボカドやトマトなど体に良さそうなのにアトピーには良くないという種類がたくさんあり、魚介もダメ、缶詰もだめ、柑橘系はダメ、卵の白身はダメ、小麦粉もダメ、ダメ、ダメ、ダメ、、、。
息子は何を食って生き延びればいいのだ?そして私は何を料理すればいいのだ?
お姉ちゃんは相変わらず好きなものを食べているのに、弟は食べられない。
幼稚園でも、マフィンやパンケーキが出されたとき「僕はミルクが食べられないから」と自分で辞退していたそう。
4歳児が、姉や友達が美味しいものを食べるのを横目に我慢するって、どれだけ辛いだろう。
食事を制限し始めてから少しずつ改善はみられたものの、良くなって悪くなっての繰り返しでした。
遊んでいる最中も痒さの方が勝ってしまうこともあり、急に静かになったと思ったら物陰でガリガリ。
あまり一生懸命にかきむしっているので、顔は無表情で、それがさらに見ている方を辛くさせました。
夜になりベッドに入ってからが痒さのピークで、かきむしるあまりシーツには血痕がつき、夜中に半分目が覚めた状態で起き上がってガリガリすることもありました。
アトピーがひどくなってから一年以上経つと、「この子はアトピーを抱えたまま大きくなっていかなければならないのだろうか?」という不安が毎日頭によぎるようになりました。
食べ物やアレルギー物質以外になにかアトピーを発症したきっかけがあるのではないかと、いろいろなことが頭をめぐりました。
アトピーが悪くなったのは私が退院したころからだったので、ママがいなくなって我慢していたストレスが爆発したのか?
引っ越した家はカーペットの部屋がほとんどで、今まで触れたことがなかったダストに反応してしまったのか?
この家に来てから料理をするのは義理の母で、食生活が変わってしまったから?
色々なことを考えましたが、その中でも一番心を締め付けたのは
「息子のアトピーは自分の病気のせいではないか?」
という考えでした。
妊娠中も膠原病をコントロールするために毎日薬を飲んで過ごしていましたが、妊娠に影響はないと言われていました。
でも、そのうちの何かが悪さをして長男をアトピー体質にしたとか?
お姉ちゃんはミルクで育ったので大丈夫だったけど、息子は母乳だったから、薬の悪い成分が体に流れ込んでしまったのではないか?
そんなことを考え出したらキリがなくて、こらえきれなくて泣いてしまった夜もありました。
食事を大幅に制限し様子を見たおかげでアトピーの原因は乳製品だということがはっきりと分かり、徐々にきれいな肌を取り戻していった息子。
子供らしいツルツルすべすべの手の甲を見るたびに「あぁ、よかった~~~」と何度もなでなでしたくなっちゃいます。
今となっては「あの頃は大変だったな」と懐かしく思うことができますが、これがもっと重篤な病気だったとしたら、自分はどれだけ精神的にやられていたんだろう。
私は16歳の時に膠原病を発症したのですが、当時の母親と私の今の年齢はさほどかわりません。
突然難病になった我が子の現状や将来への不安を受け入れなければならなかった。
当時の母は、私には想像できないくらい不安でたまらなかったんじゃないかな。
そのころの母の気持ちを考えると、胸が締め付けられるような思いがするのでした。
子供の病気は親のせいと思う自責の心理と深い愛
長男のアトピーがひどくて泣いてしまったときも、旦那は冷静に「考えすぎだよ」と言って励ましてくれました。
「以前よりも良くなっているでしょ」「もう少し大きくなったら体も強くなって、症状も和らぐよ」と、自分とは逆によい側面を見てくれる存在があるのはとってもありがたかったです。
当たり前だけど、子どもって父と母両方の遺伝子を受け継いでいますよね。
病気が遺伝的な可能性があるものなら、父の家系から引き継いでしまったという場合もあるでしょう。
それでも、やっぱり母親って自分のおなかの中で育てた子供の全てに責任を感じてしまうんだな~、なんででしょう。
私の場合はやっぱり自分の病気のせいでは?というのが大きかったですね。
環境や精神面の変化がアトピーの原因だったとすれば、私の入院が起こしてしまったことだし。
妊娠中や授乳中に私が飲んでいた薬が原因なら、私の病気のせいだし。
本当に自分のせいだったら、過去に戻ることはできないし、妊娠中から現在までの育て方や生活態度をやり直すこともできない。
目の前の子供はかゆみで眠れずにつらそうにしているのに、何もしてあげられない。
もう八方ふさがりで、自分を責めることで出口を見つけようとしていたような感じがします。
その先に出口があるわけでもないのに。
子供の病気は親のせいだと思ってしまう心理には個人的な背景が関係していて、みんながみんな同じ理由で自分を責めているわけではないけれど。。。
自分が産んだ子供って、いっときは自分の身体の一部だったわけで、生まれれば身体は離れてしまうけど、愛する気持ちと精神的な繋がりは日々強くなる。
自分の身体の一部のような我が子が苦しんでいるのを見るのがつらいのに、楽にしてあげることもできない、心の叫びが自責の念そのものなんじゃないかな~と思います。
お母さんの中には、私の母のように「健康な体に産んであげられなくてごめん」と口に出して謝る人もいる。
\当時の様子はこちら/
謝ってしまうのはその心の叫びそのもので、我が子に「苦しいのは母のせいだと恨んで気が晴れるならそうして欲しい」という気持ちも混ざっているんじゃないかなとも思いました。
私は今まで、病気になった子供の立場で過ごしてきて、長男のアトピーで病気の子を持つ親の気持ちに少し触れることにもなった。
病気の子と病気の子を持つ親の辛さの種類は違うけれど・・・どちらもつらいのは変わりないけど、やり場のない精神的な苦しさは親の方が大きいんじゃないかというのが、私の感じた結果でした。
(病気の子は精神的にもつらいけど、その前に闘病しなくちゃいけないから、メンタルばかり考えてられないってのもある。)
子供の病気は親のせいと思う自責の心理と深い愛のまとめ
長男のアトピーがすっかりきれいになった時、小学校で持ち上がりの担任をしてくれている先生が
「去年に比べるとアトピーがすっかり良くなったね!お母さんがんばったねぇ~~ Good job!!」
と言ってくれたのがすごく嬉しくて、、、子どもの体調を気遣ってあれやこれやと走り回ったり、心を削るのは母親として当然だと思っていたので、ふとかけられた言葉に
「あれ~、私、がんばったんやな!!?」
と思って、すごく報われた感じがしました。
日本では病気や障害と闘っている小さな子供は約20万人いるそう。
世界中で考えると、本当に沢山の子供や親たちが困難に向き合う日々を送っているんですよね。
みんなの所に「がんばったね、よくやってる」と親の話を聞いてくれ、寄り添ってくれる誰かがいるといいなと思っています。