ハロー!うくれれです。
11歳の娘の歯並びが悪く、歯科矯正を受けることになった話の続きです。
前回は、カウンセリングを受けた印象や、セカンドオピニオンに進んだ経緯、最終的にどうやってクリニックを決定したかについてお伝えしました。
子どものこととはいえ、歯科矯正未経験の自分も知らないことだらけでドキドキしましたが、よいクリニックに出会えて一安心。
今回は、治療前の精密検査と、治療計画についてお伝えしていこうと思います。
また、治療にかかる気になる費用はいくらだったのか、値段の内訳などもご紹介します。
Contents
矯正治療前の精密検査の内容と検査料金の内訳
ニュージーランドでは、0歳から18歳まで無料で歯科検診や治療が受けられるサービスがあります。
1年に一回くらいのペースで歯科検診を受けるのですが、娘が9歳の時の検診で、歯並びの悪さを指摘されました。
検診でおすすめされた歯科矯正クリニックでカウンセリングを受けましたが、ちょっと相性がよくなさそうな印象。
セカンドオピニオンを受けに別のクリニックへ行き、丁寧な診察とわかりやすい説明に感銘を受け、2件目のクリニックで矯正を始めることにしました。
治療に入る前に、娘の口の状態を把握し、治療計画を立てるための精密検査を受けました。
この精密検査に基づいて治療をどのように進めるかを決めるため、とても念入りな検査になるらしい。
今まで何度も歯医者さんにかかったことがありますが、虫歯の治療で受けるような検査とは大違いってことです。
1時間ほどかけて、以下の検査が行われました。
歯型取り(Inpressions and study models)$100
歯医者さんで虫歯の治療のときに歯型を取ることがありますね。
歯科矯正でも上顎、下顎の型を取り、口の中の模型を作ります。
模型をもとにかみ合わせや歯並びの詳細を分析して、治療の参考にするのです。
型どりといえばおなじみ?あのドロドロとしたおいしくないペーストを、口内にべっちょりつけられるやつです。
あの味と感触が初めてだった娘は終始しかめっつらで、型どりが終わった後も口の中に残ったペーストの破片と格闘していました。
パノラマレントゲン(Panoramic x-ray) $94
パノラマレントゲンとは、その名の通り口周りを広範囲にわたって撮影できるレントゲンのこと。
上顎から下顎までの全体像を撮影でき、口の中のことが詳細に確認できます。
【パノラマレントゲンでわかること】
- 虫歯の有無
- 歯周病の有無
- 親知らずの状態
- 骨の病気の有無
- 顎関節の状態
- 副鼻腔の状態
- 歯科治療歴
- かぶせ物の状態
- 過剰歯の存在
- 欠損歯の有無
参考:いまむら歯科クリニック
セファロレントゲン(Leteral Cephalometric x-ray)$94
セファロレントゲンは、歯科矯正で用いられる特別なレントゲン。
頭のてっぺんから首までの骨格を調べるために撮影されます。
正面から見た頭蓋骨の写真と横から見た写真を撮るのですが、できあがった写真に特別なラインを複数引いて、顔の形を分析していきます。
これにより、歯と頭蓋骨の関係性や、歯並びの悪さの原因、歯の傾斜度などが分かるそう。
歯並びって、歯の生え方だけに問題があると思っていましたが、実はあごの骨の位置や頭蓋骨も原因のひとつだと知ってびっくり。
歯科矯正の治療計画の基になるほど、大切なレントゲンだそうです。
口腔内・顔貌写真(Digital Photos)$12
歯の形態、歯並び、嚙み合わせなどを確認するために口の中の写真を撮影します。
治療を始めてから進み具合を確認するためにもこの写真が使われます。
また、顔全体の写真も撮影し、顔の形、左右の比較、バランスなどをみます。
レントゲン読影・トレース(Radiographic tracing and interpretation)$180
撮影したレントゲンを1枚1枚読み解き、診断をしていきます。
トレースと言われる作業は、セファロレントゲンに点や線などを書き込み、角度などを数値化します。
それをもとに上下の歯やあごの位置、傾斜などを確認し、分析を行います。
以上の検査の合計金額が$480。
時間をかけてじっくり検査したので、終わってから少し疲れたようすを見せていた娘。
ここまで自分の歯について調べられることが初めてなので、きっと印象に残る経験になったのではと思います。
治療計画がまとまって説明を受けるまで、およそ1か月ほどかかるとのことで、次回の予約を取って検査は終わりました。
日本で歯科矯正を受ける際、精密検査などはどのように行われるのか調べてみましたが、ほぼ同じ検査をしているようですね。
歯科矯正の手順はどの国でもだいたい同じということが分かりました。
治療計画の説明(インフォームドコンセント)
精密検査から約1か月後、娘と夫の3人で、歯科矯正の治療計画の説明を受けに行きました。
クリニックでは、担当してくれる歯科医師のマイケルが、相変わらずのハイテンションで歓迎してくれます。
インフォームドコンセント用の小さな部屋に案内されたのですが、壁にはきらびやかなドレスを着た美女とマイケルのツーショット写真が飾られています。
マイケルってば、こんなきれいな奥さんがいるのかしら?と写真を眺める私。
それに気づいたマイケルが、
「この美女はミスニュージーランドで、僕が彼女の歯列矯正を担当したんだよ!きれいだろう!」
と言って、自慢してきます。
よく見れば、後ろの壁にもミスニュージーランドの写真があり、歯列矯正前、矯正中、終了後の笑顔の写真が3枚並んでいました。
ミスニュージーランドの歯を手掛けたくらいだから、きっと娘の歯もきれいにしてくれる、そんな期待のもと、治療計画の説明が始まりました。
4人掛けくらいの大きなテーブルにはマイケル用のパソコンが置いてあり、背面の大きなスクリーンに画像を映していきます。
まず最初に歯並びと顔のバランス、どの歯がどのように並んでいて、どこが問題なのかを説明されました。
娘の場合は上の前歯が斜めに飛び出ていて、出っ歯と言われる状態。
歯をかみ合わせたときに。上下の前歯がどのくらい離れているかという位置関係を示す歯科専門用語に「オーバージェット」というものがあります。
オーバージェットは+2~3㎜が正常範囲内で、それ以上だと前歯が突出している、それ以下だと下の歯が飛び出ていると判断されます。
娘は+4㎜で前歯がかなり飛び出ているのが数値でもわかります。
また、前歯の傾斜角度も正常範囲を超えているとのこと。
横顔のバランスやあごのライン、矯正で顔貌がどのように変わるのかなど、とても詳細に教えてくれました。
歯並びだけでなく、審美的な面でも印象よい仕上がりになるよう進めてくれるというところは、さすがミスニュージーランドの歯を担当しただけあるなぁと感心!
それから、実際の治療がどのような順序で進んでいくかという話に入ります。
まずはワイヤーの矯正を15~18か月間装着し、歯並びを整えます。
期間中は4~6週間ごとに診察を受け、矯正の進み具合や歯の健康チェック。
ワイヤー矯正が終了した後はリテイナーと言う保定装置をつかい、キレイになった歯並びが戻らないようにキープしていくとのこと。
上の歯は夜間のみのマウスピースを2年間。
下の歯は固定式のワイヤーリテイナーを10年ほど装着する予定と言われました。
歯の矯正って、ワイヤー矯正が終われば完了と思っていたのですが、ワイヤーの後の方が長いんですね。
各手順の説明ごとにいろいろな症例写真を見せながら話してくれたのでとてもわかりやすく、知識のない私たちでもどのように治療が進むのかがよく理解できました。
ニュージーランドの歯科矯正費用はいくらかかる?値段の内訳や日本との比較も!
治療計画の説明を受け、十分納得した私たちは、ぜひマイケルにお願いしたいと心を固めました。
最後に気になるのが、一連の治療にかかる費用はいくらになるのか。
最初にカウンセリングを受けたBクリニックでは、カウンセリングの段階でざっと見積もりを出され、金額は1万1,500ドルでした。
\Bクリニックのカウンセリングの様子はこちら/
マイケルを紹介してくれた夫の同僚の話だと、8000ドルくらいだったとのことで、Bクリニックより安いだろうと予想はしていたのですが…。
実際はいくらだったのか!?
正解は、$7200+GST、トータルで$8280でした!
$8280の内訳はこんな感じ。
- ワイヤー矯正器具装着
- 数週間ごとの定期チェック
- 矯正器具の調節
- ブラケットが取れた場合の付け直し2回まで
- リテイナー料金
- リテイナー装着期間の定期チェック
要するに、矯正が始まってから終わるまですべての費用が$8280ドルに含まれているということです。
ただし、途中で虫歯になったり、矯正とは関係ない歯科治療をすれば、別途料金がかかります。
また、ブラケットが外れた場合、2回までは付け直してくれますが、3回目からはブラケットひとつにつき$60の料金が発生します。
ブラケットとは
ワイヤー矯正で使用する、歯の表面につける装置。ブラケットの中心にある溝にワイヤーを通して歯を動かしていく。
$8280と言ったら結構な金額ですから、支払方法も二つ提案されました。
ひとつ目は、最初に$1480を支払い、その後$400を17か月かけて払っていく分割払い。
もうひとつは一括払いですが、一括だと5%の割引が適応され、$7866になるとのこと。
分割と一括の差は$414ですから、かなりお得ですよね。
最初にがっつりお金がかかりますが、どうせ払うなら安いほうがよいということで、一括で決済を選びました。
歯科矯正など大きなお金がかかるとき、日本人だと考えがちなのが「日本とどっちが安いのか」というところではないかと。
日本でのワイヤー矯正の相場を調べてみたところ、娘のように永久歯の矯正にかかる費用は60万~100万円が平均だそう。
娘の矯正にかかる$8280を現在(2023年5月)のレートで換算すると、日本円でおよそ70万4,626円となります。
日本の相場とぴったり合っていますね。
海外に住んでいると、多くの国で歯科治療に莫大な費用がかかります。
日本のように、国民保険などで3割負担というのは珍しいんですよね。
ニュージーランドだと、歯科治療料金で日本の往復航空券が買えちゃうほど高額な治療もあるので、歯医者のために日本に帰る人もいたりします。
しかし、歯科矯正に関して言うと費用はどっちも一緒という結果となりました。
日本でやるかニュージーランドでやるかというより、どのクリニックでやるかが重要な決め手となりますね。
\NZの歯医者さんにおすすめされた歯ブラシ/
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NZで歯科矯正~費用・値段は?精密検査と治療計画についてのまとめ
最初のクリニックでカウンセリングのあと、セカンドオピニオンでマイケルに出会い、無事歯科矯正への第一歩を踏み出した私たち。
これから娘の歯科矯正が始まっていくわけですが、長い道のりになるため、娘にとって窮屈な気持ちもあるかと思います。
しかし、始めるならなるべく早いほうがよいし、将来歯科矯正をしてよかったと思える日がくることは確かです。
これからも矯正の進み具合など少しずつ記事にまとめていこうかと思いますので、ニュージーランドで歯科矯正を考えている方の参考になりますように。
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