ハロー!うくれれです。
膠原病の中でも全身性エリテマトーデスの患者の男女比は1:9と圧倒的に女性に多く、発症する年齢も20~40代が特に多いということで、妊娠出産への不安をもっている患者もたくさんいます。
膠原病(全身性エリテマトーデス)とは16歳の頃からの付き合いですが、そのような不安を乗り越え、ありがたいことに結婚・妊娠・出産を無事経験できた私。
膠原病は産後に症状が悪化しやすいという話も聞きますが、出産を二度経験した私はどうだったのか?
医学的な研究論ではなく、体験談として膠原病(全身性エリテマトーデス)の産後の病状などをまとめてみましたので、皆さんの参考になれば幸いです。
Contents
膠原病(全身性エリテマトーデス)は産後症状が悪化する?体調や血液検査などの予後について
16歳で膠原病(全身性エリテマトーデス)と診断され、ついでにシェーグレン症候群の病名もついている私。
ありがたいことに素敵な結婚相手に巡り合い、その後二人のかわいい子供たちも授かることができました。
膠原病の妊娠出産記はこちら
妊娠期間中の体調管理はもちろん大切ですが、赤ちゃんを迎えた後も自分の身体の声をきちんと聴いて病気をコントロールしなくてはならないですよね。
膠原病(全身性エリテマトーデス)は妊娠後期から産後にかけて症状が出てきたり、悪化することがあるとお医者さんからも聞いていたので、なおさら気を引き締めておきたいところ。
1人目の産後は、旦那の実家に住んでいたこともあり、食事はほとんど義理の母に作ってもらっていました。
私はというと、赤ちゃんのお世話に集中できるかと思いきや、同居のストレスや出産前後の家族間トラブル(いずれ記事にしてみようかな)のおかげでバッチリ産後うつにはまってしまっていました。
気を抜けば涙が流れて止まらないような状態が続き、カウンセリングを何度か受けにいったほど。
産後一か月くらいだったかな?旦那の家族の事情で義理の両親が母国に帰ることになり、それからやっと産後の安らぎを手にすることができたのです。
新生児検診では、少しだけ黄疸と乳児湿疹はみられるものの、赤ちゃんはいたって健康。
私の膠原病は、血液検査の結果も出産前と変わりなく、体に出てくる症状もほとんどありませんでした。
服薬も出産前と変わらず、減量も増量もなし。
第一子出産前後の内服薬
- プレドニン 5㎎
- イムラン 50㎎
- アスピリン 200㎎
- オステオ(骨粗鬆症薬)
- マルチビタミン
ただ、赤ちゃんが重たくなるにつれ、抱きかかえる時の負担が大きくなり、右手首から親指の付け根にかけて、曲げ伸ばしをする時に痛みが走ることがありました。
おそらく腱鞘炎ではないかと思いますが、痛みかたが膠原病による関節痛によく似ていたこともあり、もしかしたら病気の症状が出ていたのかもしれません。
その時期は特に慎重に体の声を聞くようにしていました。
ポイント
腱鞘炎は妊娠・出産期の女性に多く見られ、女性ホルモンが関係していると言われているそうです。
手首の痛み以外は、膠原病の特徴的な症状は全くと言っていいほどありませんでしたね。。。
今考えても全然思い出せないくらいなので、病気持ちの新米ママとしてはかなり元気な方だったのかもしれません。
膠原病(全身性エリテマトーデス)2人目の産後の様子は?第一子との違いはある?
第一子出産後も体の調子がとても良かったこともあり、初めての出産から約2年後に第二子をお腹に迎えることができました。
1人目の時は陣痛から出産まで二日くらいかかりましたが、2人目は誘発したため陣痛も短時間で終わり。
体力もたっぷりあるまま出産できたので、産後すぐに日常に戻ることができました。
一度出産を経験しているので、2人目となると気持ちは落ち着いていましたが、前と違うのは小さな子供がすでにいて、お世話する子供の数が増えるということ。
新生児が眠っている時に自分もお昼寝・・・なんてことは第一子の時はできていましたが、今度はそれができません。
さらに、第一子出産の時に両家の親が集まり、私の安らかな(はずだった)産後をめちゃくちゃにされたので2番目の時には誰も来ないで欲しいと釘を刺しておいたため、外部からの助けもありません。
幸いなことにニュージーランドでは多くの会社がフレキシブルに休暇をとることができ、旦那も産後1か月くらい仕事を休んで家の事をやってくれたので、さほど苦労することはありませんでした。
周りには旦那と娘と赤ちゃんしかいないので、それはそれは安らかな気持ちで、やっとこさ平和な産後を過ごせたのは、初回で失敗している私にとって、とても嬉しい時間でした。
そんな穏やかな気持ちで過ごせたのが幸いしたのか、1人目の時にあった腱鞘炎のような関節の痛みもなく、血液検査の結果もこれまた良好。
飲んでいた薬も、出産前と全く同じままでした。
第2子出産前後の内服薬
- プレドニン 5㎎
- イムラン 50㎎
- プラケニル 200㎎
- アスピリン 100㎎
- オステオ(骨粗鬆症薬)
- マルチビタミン
妊娠出産が原因で膠原病が悪化するということは私にはなかったので、本当にありがたいと思っています。
産後に膠原病が悪化する原因って一体何なの?
二度の出産経験の中で、持病である膠原病が悪さをすることが無かった私。
当時はただ「産後に膠原病が悪化する場合がある」と言われていたのを気にかけていただけで、なぜ悪化するのか、原因について考えることはありませんでした。
今回この記事を書くにあたり、その理由をいろいろと調べてみたので、これから出産を控えている方や、妊娠を望んでいる方の参考になればと思いまとめてみました。
ホルモンバランスが乱れ免疫に影響が出る
女性は妊娠をするとホルモンバランス(卵巣で作られるエストロゲンとプロゲステロンの量)が急激に変化するのは誰もが知っているのではないかと思います。
妊娠初期から後期にかけて緩やかに上昇したあと、出産後に急下降して、心や体にも大きな変化を与えます。
産後に髪の毛がゴッソリ抜けたり、肌質が変わったり、精神的な浮き沈みが激しくなったりと、生理現象とは言え耐え難い期間が続きます。
女性ホルモンが乱れている時は免疫力も下がると言われているそうで、例えば生理前に体調が悪く、風邪をひいたりお腹を壊したりというのもホルモンの関係だそう。
妊娠出産は、毎月の生理の何倍もホルモンに変化があるので、ただでさえ免疫機能に問題がある膠原病患者にとって、病気を再燃させるきっかけとなるのではないかと思いました。
妊娠中の副腎皮質ホルモンの変化
妊娠すると、副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)がいつもよりも多く分泌されるそう。
副腎皮質ホルモンは体内の炎症を抑える働きなどがあり、膠原病(全身性エリテマトーデス)の治療で使われるプレドニゾロンなどのステロイド薬はとても大切なお薬ですよね。
薬で調節している副腎皮質ホルモンが、自分がコントロールできない体内で多量に分泌され、急激に減ってしまう事で、膠原病の再燃につながるのはうなずけます。
だからこそ、妊娠出産を望む女性は、それ以前にきちんと病気をコントロールしておき、いつでも状態を把握できるようにしておくことが大切なんですね…!
健康だった人が産後に膠原病や関節リウマチを発病してしまうことがある、というのも副腎皮質ホルモンのアップダウンが関係しているのか、と納得できます。
子育てで無理をしすぎる
出産を終えたとはいえ、新生児を24時間付きっ切りでお世話する毎日がまっているママ達は、心も体も休まる暇がありませんよね。
近くに助けてくれる人がいたとしても、赤ちゃんを産んだばかりのママはとても責任感が強いため、どうしても無理をしてしまいがち。
サポートがあるのを分かっていても、自分でどうにかしなくちゃとなれない子育てに奮闘します。
赤ちゃんのことで頭がいっぱいになると、ついつい自分のことは後回しになってしまうのは、多くの女性に共通するのではないでしょうか。
膠原病を持っていても、子どもの育て方は変わりませんから、忙しすぎて自分の食生活や休憩時間が管理できなかったり。
不規則な生活で睡眠不足になったり。
寝る時間が決まっていないと食事の時間もバラバラになり、たまに薬を飲み忘れることもあると思います。
そんなこんなで無理を続けていった結果、いつの間にか血液検査の数値が悪くなっていた、ということもあるのでは?
赤ちゃんはママがいなくちゃ生きていけない、そのママが無理しすぎて体調を壊してしまったら共倒れになってしまいますよね。
産後がんばりすぎてしまうのは、ある意味避けられないものですが、頼れるところがあるならば、責任感は少し横に置いておいて、自分自身の管理にも目を向けなければいけないですね。
おわりに
膠原病(全身性エリテマトーデス)で妊娠から出産、産後をどのように乗り切ってきたかを、何度かに分けて書いてきていますが、正直、病気の話題がほとんど出てこない体験談になっていますね。
ホントにありがたいことです。
私の場合は産後大変だったのが膠原病でも子育てでもなく、周りのストレスからの産後うつだったというのがポイントで。。。
そのおかげで膠原病の事をシリアスに考えずに済んだのかも?
う~ん、でもあんな苦しい気持ちで過ごすのはもうこりごりだな。
今の平和に感謝!